2002.06.04

 国民総背番号制

 今日の毎日放送の「ちちんぷいぷい」を見ていると、11けた住民票コードとICカードの話が出ていた。住民基本台帳ネットワークの事だ。
 はっきり言って、偏見に満ちたもので、否定的な意見ばかりを主張していた。
 構築費・運営費に関しても言及しており、ほとんど完全否定に近い主張だった。
 来週に続くらしい。

 僕は国民総背番号制には賛成だ。
 また、ICカードも賛成だ。

 だってね。弊害よりもメリットの方が大きいと思うから。
 弊害はいろいろ言われているから詳しくは書かないけど、メリットはやはり利便性だ。
 これ1枚で役所の自分のデータがすべて引き出せるのだから大きなメリットだと思う。
 で、弊害について反論したい。

  1. データが中央に集中する。
     データが集中する事によって、犯罪者に狙われやすいとか、プライバシーの問題になるとか、職員の倫理性が問われる事になるとか、いろいろある。
     しかし、これは「国の管理」という事に対する偏見だと思う。
     貴方のそのプライバシーは他にどこにも預けていませんか?
     例えばクレジットカード会社や銀行、自分の会社等。
     国を信用できなくて、その他の会社は信用できるのですか?
     貴方のカード番号は背番号になっているのではないですか?
     と、逆に問いたい。
     職員の倫理性を問うのはどこでも同じだろう。本当に信用できますか?
     データ管理については、カード会社や銀行はさすがにデータの集中管理はしていないだろうけど、それぞれのデータを管理しているコンピューターのシステムを単一のメーカーに頼んでいないだろうか?分散しているシステムそれぞれで別々のメーカーにして、1つ破られればすべて同じというセキュリティ上の欠陥を補っているだろうか?
     僕が考えるに、それは公民どこでも同じぐらいの危険性がある。
     国の管理のシステム導入に関して、裏取引があったり等の犯罪行為が行われないようにはして欲しいと思っている。が、民間企業でも同様かもしれない。

  2. ICカードが狙われる
     現在のところ ICカードは非接触型になるようで、ポケットに入れていたら近くのカードリーダーで読めてしまう、とか言う話があった。
     だから「暗号化」というのがあるのでは?暗号化が破られるかもという話はこの際どうでもいい事だ。そこまでできる奴なら、何をしていても仕方がない。
     電子署名が公文書で使われようとしているから、個人の電子署名も含めるようにして、それは読み出せないようにする。その電子署名に信頼されている機関しか認証できないようにしておく。公的機関の電子署名が流出しないようにだけしておけば、例え ICカードが読まれても解読される心配がない。
     レコード屋などの盗難防止タグじゃないんだから、このぐらいはやるに違いないと思う。

  3. 不正利用
     これは ICカードに限った事ではない。
     今の行政の各種台帳取得は印鑑1つあれば誰でもとれる。
     現状、これが問題だ。
     住民票をとる事にとどまらず、転入転出までも他人が勝手にできてしまう。
     また、勝手に人の家に転入もできてしまう。
     転入は自由だから、勝手に転入した後、本当の住民のふりをして転出したりすれば、犯罪のできあがり。
     こうなると、指紋の照合などの完全な本人確認が必要になる。
     ICカードにそういう情報も入れておいて、ICカードの不正利用を減らすようにすればよいと思う。
     問題になるとすれば、クレジットカードやキャッシュカードの方が問題だろう。
     どちらも暗証番号さえわかればお金を引き出す事ができてしまうし、買い物だけなら適当にサインすればわからない。例えば筆跡鑑定装置のようなものがそれぞれの店にあって、カード裏の筆跡と照合して、のようにならないと、店員が見ただけではわからない。
     通販にクレジットカードを使うなら、サインも要らない。カード自体も必要ない。請求書だけ本人に行くというわけだ。
     通販の場合、良心的な店なら、クレジットカードの住所にしか配達しないようにしているが、登録住所と違う場所にも配達できるようにしている店もある。心配だ。ウィークリーマンション等の短期賃貸を使っての犯罪にはもってこいだ。
     ICカードを使う事によって、その手の犯罪が減る事になる可能性があると思っている。クレジットカード会社だって、ICカードへの移行を考えているでしょ。


 国民総背番号制にして、すべての認証にそれを使うようにすればいいと思う。
 プライバシーだのなんだの言う奴は、「貴方のプライバシーはそんなに保たれているのか?」という問いに「保たれている」と断言するかもしれない。まあ、クレジットカードも銀行もなんにも利用していないならそうかもしれないが、そんな奴は一握りだ。
 クレジットカードや銀行を利用している人間は、既にプライバシーを他人に預けているという事を認識しましょう。

 国民総背番号制にして匿名性を無くせば、犯罪も減少すると思う。
 もちろん減らない犯罪もあるが、ネットワーク上の犯罪など、匿名性があるがゆえに起こる犯罪は減少するはずだ。
 また、誹謗・中傷のような愚劣な行為も減るだろう。
 なんてったって、自分の身元が相手にわかるのだから。
 もちろん、公にしても良い情報と良くない情報の区別を付けなければいけない。
 何を公にするかは自分が決める事ができればいい。完全に匿名にしたい人間は、「匿名者」という事で、それなりの扱いになるだろう。普通の人間にとって、相手の身元がわかる点は安心感に繋がる。「匿名」でやりたい奴は「匿名」同士で勝手にやらせておけばいい。「匿名」にしない場所では、「匿名」の人間を排除できる形にすればよいのだから。
 で、犯罪者の検挙が広がる可能性が大きい。
 ただ、逆に、間違った検挙も広がる可能性が大きくなる事もあるかもしれない。
 メリット・デメリットはなんにでもある事で、それをどう使うかは今後の考え方で変わってくると思う。


 すべて極論になったかもしれないが、悪い事だけではないと思う。良くなる事、悪くなる事、どちらも否定せず、公平に考えたい。
 ただし、「例外」は設けないようにして欲しい。例え政治家だろうが、犯罪者だろうが、暴力団だろうが、ホームレスだろうが、すべての人間を登録するようにして欲しい。そうでないと公平でなくなり、現在のように「特権階級」が存在してしまうからである。
(蛇足)
 政治家が犯罪していても任期中は逮捕できない、という法律は無くすべきだ。