2004.1.22
いややっぱりコストだろ？
MYCOM PC WEBにこんな記事が載っていた。
http://pcweb.mycom.co.jp/articles/2004/01/21/ipax/
いやあ、やっぱり大学教授は言う事が違う違う。金銭感覚が僕ら一般庶民とは全く違う。
この人はたぶん、コンビニの野菜コーナーも盛況だと思っているのだろう。
世間には非常に多くのスーパーがある。そしてそれぞれ特売日・安売日があり、また、安売商品もある。
そんなものすべてにRFIDチップを貼り付けるには、そのチップが安くなければいけない。
こんなことを言ってたそうだ。
記事を読んで欲しい。「生産者、流通にかかわるいくつかの業者．．．100円の商品に10円のチップは付けられない、なんてのはウソ」
おいおい、そういうあんたが短絡的すぎないか？
RFIDチップを付けていろいろなことをしたい場合、ほとんどすべてについていないと意味がない。一部商品（一般的に高額）のみに付けて、「これって便利だよ」って言ったって、一般大衆がついてくるわけがない。「ふーん」で終わりだ。
だいたい、「超安売り！」「安売り！」に飛びついたり探している僕らを含めた一般大衆が、その出所をどれだけ気にしているか。「キャベツ１玉５０円」とか書いてあったら、産地なんか気にしないよ。たぶん買う。そしてそのような商品に（商品値段に対して）高額なRFIDチップなんて付けているわけがない。
100円の商品の原価はいくらぐらいだと思ってるんだ？その商品原価が10円上がったとしたら、どのぐらいの損益になると思ってるんだ？彼は、その2円以上の価値を生めばよいと言う。いやいやそれならその方法も考えてくれよ。たぶんあんたは言うんだろう。それはあなた達が考えることだと。使う側に考えさせるなら、押しつけるようなことは言わないでくれ。本当にそう思ってるなら、例を挙げてくれ。何か具体的な例を挙げてくれたら努力するだろう。
他にも、農家から「消費者へ直接メッセージを伝えたい」という声もあったという、という話も載っていた。いやいや、たぶんその農家は付加価値の高い商品を作ってるんだろ？例えばコシヒカリやササニシキ、有機栽培野菜、そんな感じの付加価値の高い商品の場合、その商品そのもののＰＲのために、広告宣伝費として手間とお金を使っても良いと思ったのだろう。しかしそれが全くそういうものと関係のない一般野菜などの場合はどうだ？たぶんその農家は元々利益が少ないところにもって、RFIDチップを付ける手間をかけなければいけないのは大変だろう。年寄りだけでやっているところの場合は更に大変になるだろう。
手間はお金に換算できる場合がある。それはアルバイトを雇うだとかである。で、その分を誰が払うというのだ？そのお金の科目はどこにするべきなのだ？
更にはっきり言えば、出所を知らせたくない場合もあるだろう。安く仕入れてきた時に出所を知られるとまずい生産者・流通・小売りもいるだろう。
確かに、RFIDによる追跡というのは使い方によっては非常に便利になるだろう。しかし、その便利というのが一般大衆にとって便利なのかどうかということだ。
一般大衆にとって便利な物もあるだろう、だが、ほんとにその情報が正しいかどうかは、結局その商品を売っている業者を信頼するしかない。例えば「付け替え」「偽造」等、現在行われてる犯罪行為と同様な行為が行われる可能性もあるのだ。今そのような犯罪行為が無くならないのに、誰を信じろと？
つまり、一般大衆は出所なんか知らなくても自分たちで取捨選択する。どこそこは肉が良い、どこそこは野菜が良い、どこそこは肉が安いけどすぐに傷む、そいういう口コミ情報の方がよっぽど普段の生活では役に立つのだ。そして、それはごまかされる事が少ない。たとえ偽造していても、おかしい時がつくのは消費者なのだ。
たぶん、RFIDはそれなりに導入されるだろう。だた、大部分は現在のバーコードと同様、経費削減のためにしか使用されないと思う。一部の高額商品にはそれなりの付加価値が付けられるだろう。大手スーパーなどでも導入されるかもしれない。ただ、それは生産者が付けるのではなく、小売業者が付けるのだ。
２次元バーコードもそうだが、情報量・使い勝手だけでは付加価値にはならない。いろいろな情報にリンクされていても、使わない人は使わない。
普及のための鍵は携帯電話（Web等情報端末）との連携だと思う。携帯電話は情報端末としては異例な普及をした。この普及率を使わない手はない。携帯電話と連携して消費者にメリットをもたらす情報を発信できたら、RFIDも付加価値が出てくると思う。ただ、やっぱり付加価値の高い商品にしか効果はないと思う。客の回転を速くしたいところではRFIDはレジの手間を少なくするかもしれない、という価値しかない。